行政イベント出店募集情報

出店料の相場:愛知の行政イベント69件の募集要項から

2026.9.11 公開 執筆:合同会社セキレイ

「行政のイベントは出店料が安い」とよく言われます。本当でしょうか。当サイトが2026年9月時点で掲載している愛知県の出店者募集69件、出店枠にして99枠の募集要項から、出店料を集計しました。金額が明記されていた枠は64枠です。

先に結論を書くと、安い募集と高い募集がはっきり分かれていて、「平均」にはあまり意味がありません。どちらに分かれるかは、イベントの性格でほぼ決まります。

キッチンカー:無料〜1万円

金額が分かる21枠の内訳です。

出店料 枠数
無料 6 県主催のグルメフェア、市のリユースマーケット、ラリーの観戦エリア
380円〜1,010円/日 7 公園の常設出店(蒲郡市中央公園、刈谷市南桜街園)、愛・地球博記念公園、瀬戸市デジタルまつり
3,000円 2 春日井市 秋の農業祭(1小間)、名古屋市 本郷バスターミナル(1日)
5,000円 2 一宮市 秋の緑化フェア(1日1区画)、春日井市 わいわいカーニバル(1小間)
10,000円 3 半田市 ふれあい産業まつり(1台1日)、武豊町 産業まつり、名古屋市 南区民まつり

中央値は1,000円ですが、分布は二山です。

無料〜1,000円の山は、「市が場所を提供して、日常的に出店してもらう」タイプです。公園や庁舎の一角に平日から出店できる募集は、1日数百円の使用料で済みます。県の PR イベントも、出店者を「地域の魅力を見せてくれる協力者」と位置づけているので無料が多い。

3,000円〜10,000円の山は、「年に1回の大きなまつり」です。来場者数が多く、1日で売り上げが立つ分、出店料も取る。産業まつり系は1万円が相場と見てよさそうです。

テント(露店・物販・ハンドメイド):無料〜4万円

金額が分かる26枠です。

出店料 枠数
無料 7 環境フェスタのフリーマーケット、市民活動のマルシェ、リユースマーケット、県のグルメフェア物産ブース
1,000円〜1,500円 4 岩倉市・名古屋市昭和区・一宮市のフリーマーケット、刈谷市南桜街園
3,000円〜7,000円 5 蒲郡市 福寿稲荷ごりやく市(1回3,000円)、武豊町 産業まつり(テント半張5,000円)、南区民まつり(5,000円)、西区おまつり広場(6,500円)
10,000円〜17,000円 4 武豊町 産業まつり(テント1張10,000円)、一宮市 緑化フェア企業枠(10,000円)、くらふとフェア蒲郡(2日間12,000円、テント借用17,000円)
20,000円〜30,000円 4 半田市 ふれあい産業まつり(1小間1日20,000円、電源付き25,000円)、常滑焼まつり(両日20,000円〜30,000円)
35,000円〜40,000円 2 名古屋市 西区おまつり広場の「協賛出展」

こちらも二山どころか三山あります。

無料〜1,500円は、フリーマーケットや市民活動枠です。営利目的の出店を明示的に断っている募集もあります(岩倉市のふれ愛フリーマーケットは「営利目的・飲食品・生き物の販売は不可」)。ハンドメイド作家がこの枠に出られるかは、募集要項の「出店できる人」の欄をよく読む必要があります。

3,000円〜17,000円は、事業者向けの一般的な出店枠です。産業まつり、クラフトフェア、月例の市など。「くらふとフェア蒲郡」は2日間で12,000円、200ブースという規模で、ハンドメイド作家向けの行政系イベントとしては県内最大級です。

20,000円以上は、大規模な産業展・焼き物まつり、または「協賛」名目の枠です。西区おまつり広場の35,000円・40,000円は、出店というより協賛金に近い性格で、物販の有無で金額が変わります。

露店(縁日・夜店):4万円という例も

夜店の募集は件数が少ないのですが、春日井市の納涼まつりは1小間40,000円(協賛金を含む、41小間)でした。屋台の縁日は集客力が大きく、1日の売上も大きい前提で設定されています。逆に東海市の秋まつりのように、商工会が出店コマ料金を負担して出店者は無料という例もあります。

出店料の外にかかるお金

募集要項を読むときに見落としやすいのが、出店料以外の費用です。今回の99枠に実際に書かれていたものを挙げます。

  • 電源使用料:春日井市の納涼まつりは「コンセント1つにつき別途2,000円」。半田市は電源の有無で小間料金が5,000円違う
  • 道路使用料:福寿稲荷ごりやく市は「年度内初回出店時は道路使用料2,500円が別途必要」
  • 市外料金:東栄町のフェスティバルは町内1,000円、町外3,000円
  • テントの借用料:くらふとフェア蒲郡は自前テントなら12,000円、主催者テントを借りると17,000円
  • 発電機の借用:福寿稲荷ごりやく市の夜開催は「発電機等の借用は別途利用料」

逆に、出店料に含まれるものもあります。常滑焼まつりは「テント・机・イスは無償貸与」、蒲郡まつりは「半テント、三方幕、電源2口1.5kW、長机2本」が付いてきます。同じ1万円でも、テントを自分で持ち込むのか、用意されているのかで実質の負担はかなり変わります。

「無料」には理由がある

無料の募集が全体の2割(64枠中13枠)ありました。無料には、だいたい次のどれかの理由があります。

  1. 出店者が目的の一部になっている:県の PR イベントで「県内各地の名物を並べたい」、市の環境フェスタで「リユースを広めたい」。出店者は協力者であり、お客さんではない
  2. 売上が見込めない:市長選の公開討論会に出るキッチンカー(新城市、無料、5台)のように、来場者が限られる
  3. 市民向けの枠:市民活動団体や一般家庭のフリーマーケット。事業者は対象外のことが多い

つまり無料の募集は、「タダで出られてラッキー」ではなく、「売上より別の目的が優先される場」であることが多い。出店の目的が売上なら、むしろ出店料を取っている集客型のまつりのほうが合っています。

使い方の目安

まとめると、愛知県内の行政イベントに出店するときの目安はこうなります。

  • キッチンカーで1日しっかり売りたいなら、産業まつり系で5,000円〜10,000円を見ておく
  • キッチンカーで平日の定期出店先を探すなら、公園・庁舎の常設募集で1日数百円〜1,000円
  • テントの事業者出店は5,000円〜20,000円。テント貸与の有無で実質負担が変わる
  • フリーマーケット枠は無料〜1,500円だが、事業者は対象外のことがある
  • 出店料の外に、電源・道路使用・市外料金がつくことがある

この数字は2026年9月時点の愛知県69件の集計です。募集が増えるにつれて更新します。各イベントの実際の出店料は、それぞれのイベントページと、必ず主催者の募集要項でご確認ください。

コラム一覧へ